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きょうふのくちぶえ

恐怖の口笛

海野 十三

線上閱讀海野 十三《恐怖の口笛(きょうふのくちぶえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 60,713 字 · 122 頁

青空文庫

どうしたわけか、このところ十日ほど、所在の不明だった探偵王だった。彼のところへやった通信が届いて、このキャバレーへやってきたものらしい。

青竜王は闇の中で雁金検事と何事かを低声で囁きあった。その揚句、話がすんだと見えて、

「じゃ、しっかり頼むぞ」

という検事の激励の言葉とともに、青竜王はコソコソとまた闇の中に紛れこんでしまった。――検事はこんどは大江山課長を引きよせると、何かを耳打ちした。

「よろしい。命令しましょう」

課長はそういって、卓子の陰から匍いだした。彼は銃丸の中をくぐりぬけながら、力戦している警官隊の方へ進んでいった。

間もなく何か号令が発せられて、武装警官隊の射撃は更に猛烈になった。天井から何かガラガラと墜ちてくる物凄い音がした。

「前面を注視していろ!」

隊長が叫んでいる――

と、正面に怪物のように火を吐いていた痣蟹の軽機関銃が、どうしたものか急に目標を変えた。ダダダダダッと銃丸は天井に向けられ、シャンデリアに当って、硝子の砕片がバラバラと墜ちてきた。

「おや?」と思う間もなく、ワッという悲鳴が聞えて、いままで呻りつづけていた機関銃の音がハタと停った。