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きょうふのくちぶえ

恐怖の口笛

海野 十三

線上閱讀海野 十三《恐怖の口笛(きょうふのくちぶえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 60,713 字 · 122 頁

青空文庫

といっているとき、ジジジーンと、壁にかけてある大きなベルが鳴りひびいた。それはあまりに突然のことだったので、教授は、

「ややッ――」

とその場に飛び上ったほどだった。

「何でしょう、いまごろ?」

「ハテナ誰か来たのかな。この夜更に変だなア」と教授は頭を傾げた。

そのとき、またベルがジジジーンと、喧しく鳴った。

「ちょっと見て来よう」

と教授はメスを下に置くと、扉をあけて廊下へ出ていった。廊下は長かった。漸く入口のところへ出て、パッと電灯をつけた。

「誰だな。――」

と叫んだが、何の声もしない。

「誰だな。――」

そういって硝子越しに、暗い外を透してみていた教授は、何に駭いたか、

「呀ッ、これはいかん」といってその場に尻餅をつくと、大声に西一郎を呼んだ。

その声はたしかに解剖室に聞えた筈だったけれど、西はどうしたのか、なかなか出て来なかった。蝋山教授は俄かに恐怖のドン底に落ちて、急に口が出なくなって、手足をバタバタするだけだった。

「どうしたんです、先生!」

元気な声が奥から聞えると、やっと西一郎が駈けつけた。西にやっと聞えたらしい。

「いま怪しい奴が、その硝子のところからこっちを睨んだ。