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きょうふじょう

恐怖城 他5編

佐左木 俊郎

線上閱讀佐左木 俊郎《恐怖城 他5編(きょうふじょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,735 字 · 290 頁

青空文庫

第六章

「正勝くんも来てるのか?」

敬二郎は鼻であしらうようにしながら、正勝と向き合いに、炉端の腰掛けへ腰を下ろした。

第六章

1

片隅の壁に造りつけられてある土間のストーブには、薪がぴちぴちと跳ねながら真っ赤に燃えていた。敬二郎はストーブのほうへ長靴の両足を伸ばして煙草をふかしながら、次の言葉を躊躇した。平吾と常三と松吉との三人はストーブに手をかざして、重い沈黙の中に敬二郎の言葉を待った。しかし、敬二郎は煙草を燻らしてはただじっと唇を噛み締めるだけだった。

「とにかく、正勝の野郎は旦那が亡くなってからってもの、生意気になってきたことだけは確かだ」

平吾が両手を擦り合わせながら、思い出したように言った。

「それなら本当だ」

松吉が顔を上げて、叫ぶように言った。

「そればかりじゃねえ、あの野郎はなにも仕事をしねえで遊んでばかりいるぞ。そして、旦那の長靴を履いたり、旦那の鞭を持ち出したり、勝手なことばかりしていやがるよ」

「正勝くんとしちゃ、それぐらいのこと、なんでもないことなんだ」

敬二郎は三人の者が正勝に反感を抱いているのを知って、急に勢いを得てきた。