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きょうりゅうとう

恐竜島

海野 十三

線上閱讀海野 十三《恐竜島(きょうりゅうとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 98,662 字 · 199 頁

青空文庫

「おや、あれはなんだろう」

今四人が出て来た横穴の下、二米には水があった。その水の上には大きな船が浮んでいた。

船といっても汽船ではない。蒸気船でもない。帆船だ。もう二三百年もの昔、いやそれ以前の船にちがいない。

ヨーロッパの港々を荒した海賊船を読者は想像してほしい。その黒い影が四人の眼の前に、にょっきりたっているのだ。

洞穴はこの帆船の格納庫の役目をしている。どこからこの船がここに入ったのかは、いずれわかることだが、四人が完全にびっくりしたことはまぎれもない事実だった。

「コロンブス時代の船だろ」

「アメリカ大陸発見以前の遺物だ」

「船側はもう苔むしている。船底はおそらくかきのいい住家になっているにちがいない。帆はまきおろされているが、すでにぼろぼろになって、使いものにはならないだろう」

船は小波の中にしずかに、ゆったりとゆれていた。潮がずんずん引いてゆくので、その力にのってか、いくらかずつむこうの方に進んでゆくらしい。

この洞窟は先に行って、右か左に大きくまがり、やがて外の大海につながっているのだろう。

かくされた神秘の大洞窟にねむる怪船である。

「あ、ポチだ!」