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ぎじゅつのてつがく

技術の哲学

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《技術の哲学(ぎじゅつのてつがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 84,443 字 · 164 頁

青空文庫

そのためには、本来の意味に於ける技術家乃至専門家がよって立つ処の生産技術乃至自然科学的知識が、外の文化諸領域に較べて、社会機能の上で特殊な位置を持っている、という一般的な事情を、まず注意してかかる必要がある。――まず第一に自然科学的知識が社会科学的知識に較べて遙かに、社会的制約を受ける程度が低いという事実は、今更議論するまでもない現象である。

だが、それだからと云って、自然科学の受ける社会的制約が、自然科学にとってどうでもいいものだということには、決してならない。云うまでもなく、科学とか知識とかいうもののもっている効力は、そしてこの効力は結局に於て社会的に結果しなければおかない社会的効力なのではあるが、真理の普遍的な通用強制力というもの以外にはあり得ない。真理が生活に役立つのも又はその他の効用を持つのも、真理それ自身からくるこの普遍的強制力の外から出て来るものであってはならぬ筈だ。その意味で科学的知識は、自然科学のものであろうと社会科学のものであろうと、それが客観的だという点によって初めて価値があるので、何かの社会的効果から、即ち人間一般の・個人の・集団の・階級の・主観的・主体的な関心から、価値の有無を決めらるべき筈ではない、とそう一般に考えられている。