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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《探偵小説の「謎」(たんていしょうせつのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,820 字 · 235 頁
そして、この小説は探偵メーグレと犯人との心理闘争に終始するのである。
この犯人は神をも道徳をも否定し軽蔑している。神や道徳が時とところによってその本質をことにするのは、それがやがて一つの社会的功利にすぎない証拠だと考えている。たとえば一夫一婦主義と多妻主義のごとく、ナポレオンの大量殺人と個人的殺人犯のごとく、同じ行為がある時代ある場所では善となり、ある時代ある場所では悪となることを見抜いている。そして、道徳のタブー的厳粛性を軽蔑する。
しかし、この犯人は良心を否定しながら良心にさいなまれることラスコーリニコフと同様である。さらにいっそう大きなむじゅんは、これらの犯罪者はニヒリストのくせに自尊心を捨て得ないことである。(ほんとうのニヒリストは自尊心すらも放棄しているはずだ)彼らをして罪を犯させたものは何よりもゆがんだ自尊心だったといえる。俺は天才だ超人だといううぬぼれ、社会をみくびり警察などはほとんど問題にしない超絶的な気持である。この自尊心が堕落するといわゆる犯罪者の虚栄心となる。ラスコーリニコフが犯行後カフェーで出会った検察官に札たばを見せびらかすあの心理が、ラデックではいっそう大げさに挑戦的になっている。