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たんていしょうせつのなぞ

探偵小説の「謎」

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《探偵小説の「謎」(たんていしょうせつのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,820 字 · 235 頁

青空文庫

ここにオカルティズムと手品との境界線が引かれるのではないかと思う。他の印度奇術、観客の目の前でマンゴの種子が木となり花が咲き果実がみのるものや、何十日も地中深く埋められて生きている奇術などは、どの奇術書にも種あかしがしるされていて、合理的に可能なのである。

これに関連して、オカルティズムの書物に次のような極端な不思議がしるされている。一八九八年、印度のある都会で古い寺院の塔が英人の手によってとりこわされることになり、その仕事を進めて行くと、塔の地下聖所に一個の石棺が安置されているのを発見した。英人技師は印度僧にこれを開かせたが、石棺の中にはミイラのような死体が横たわっていた。ミイラかと聞くと、僧は首をふって、これは死人ではない、ただ深い眠りに入っているに過ぎないのだと答えた。技師が「馬鹿な」と否定すると、僧は「決してそうではない。私たち印度人は長い期間埋葬されても決して死なない霊力があるのです。やがてあなたもそれがおわかりになるでしょう」と自信にみちた答えをした。数日後、僧侶たちによる死者覚醒のおごそかな読経が十二時間にわたって続けられた。すると石棺内のミイラは生き返り、一週間後には別人のように健康なからだになった。