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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《探偵小説の「謎」(たんていしょうせつのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,820 字 · 235 頁
『現今使用しておる指紋法を日本で発見するに至った事情を説明すると、明治十一年ごろ(西暦一八七八年)、東京の築地病院にきておった英国の医者ヘンリー・フォールズという人が、そのころ発掘せられた日本の石器時代の土器に指紋の跡がついていることを観察し、他方、日本において昔から爪印、拇役、手形というように手指の印章を証文に押しておることから大いに興味を抱き、いろいろと研究した結果、これを個人識別に応用しようと考えて、英国の科学雑誌「ネーチュア」に投稿したのである。そして、それが雑誌に出たのは明治十三年(西暦一八八〇年)十月二十八日である』
(この文章では、フォールズは明治十一年ごろちょっと日本にきていたようにもとれるが、平凡社百科事典の「指紋」の項の仁科氏の記述によると、彼は明治七年から十九年まで在日したとある。)
さて、問題の快楽亭ブラックの「幻燈」のことに入るのだが、まずその筋をごく簡単にしるしてみる。ロンドンの岩出銀行(涙香式に英国名を日本名に引き直して訳したもの)という個人経営の銀行社長が、ふと道で出会った乞食少年の正直な行為に感心して、この少年を引取り、学校に入れ、後には自分の銀行の社員にする。