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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《探偵小説の「謎」(たんていしょうせつのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,820 字 · 235 頁
その原作が何であるか、探偵小説史にも残っていない無名作家の作品をさがし出すことは、日本においてはとうていできない話である。
「幻燈」の作者については、正岡容君が「宝石」昭和二十二年一月号に「英人落語家ブラックの探偵小説」と題する随筆をよせて『明治年代、西洋人情噺を以而、よく大円朝、初代燕枝に拮抗したる存在に、英国人の落語家快楽亭ブラックがあった。(中略)ブラックは幕末、ジャーナリストたりしその父君に連れられて渡日、父と共に「日新真事誌」なる新聞事業に挺身したが、明治初年、自由民権の演説流行に刺戟され、先ず演説より講談席へ、次いで三遊派一方の重鎮たり得て、大正癸亥の大震前後、没した。異邦人にして本朝寄席文化史上、大看板の足跡をば残したは、奇術の李彩、音曲のジョンペールと共に、この快楽亭ブラックであろう』と紹介しておられる。同じ随筆で正岡君はブラックの講談速記本「岩出銀行血染の手形」「流の暁」「車中の毒針」「孤児」「草葉の露」の五冊を所持するといい、ほかに「幻燈」という一冊も持っていたが、疎開のさいなくしたと書いておられる。ところが、正岡君は気づかなかったのだが、この「幻燈」