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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《探偵小説の「謎」(たんていしょうせつのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,820 字 · 235 頁
だがスリラアという低調な名称にはあたらぬけれども、トムスンのあげた諸作がなんらかのスリルを重大な要素としていることは否み難い。いや、それどころか古来の大文学にはほとんど例外なくスリルの魅力が含まれているといってもいいすぎではない。(ただスリルにもいろいろの段階があって、スリラアというスラングは「こわがらせ」「お涙頂戴」などの俗語が意味すると同じ、低調卑俗なスリルを取り扱ったものだけを指しているとみるのが穏当かと感じられる)ことに探偵小説ではスリルのない作品なんて絶無といってもさしつかえないと思う。トムスンはコリンズとかガボリオとかメースンとか、どちらかといえばロマンティシズムの作家をあげているが、それはまったく反対側の理智小説にも、スリルは案外重大な要素となっている。たとえばドイルの諸作は一方謎文学でもあるけれど、それと同じ強さでスリルの文学でもある。これはもう説明するまでもないことだが、読者はドイルのどの短篇でも、どの長篇でも思い出すものを取って、そのスリルの重要さを吟味してみるがよい。謎の魅力とスリルの魅力とはたしてどちらが大きいかにまようほどなのを発見するであろう。