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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《探偵小説の「謎」(たんていしょうせつのなぞ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 119,820 字 · 235 頁
二度目だけれど、これも飛びきり面白かった。探偵が犯人だったというトリックは、一度誰かが使えば、あとから出たものはまねにちがいないので、「またか」とウンザリすることになるが、それでも、この同じトリックを使っている有名な作品が随分ある。
一ばん早いのはポーの「お前が犯人だ」で、純粋の探偵ではないけれども、最初から事件の捜査を指導していた人物が、最後に真犯人とわかるという筋で、さすがにポーはこのトリックにも先鞭をつけている。
その次はイギリスのイズレール・ザングイルの長編「ビッグ・ボウ事件」(一八九一年)で、一九〇一年の「黄色の部屋」、一九一〇年の「813」よりもはるかに早い。ザングイルは純文学者なのだから、着想も文章もよろしく、「探偵即犯人」と「密室の殺人」の二大トリックを、十分に書きこなしている古典として、もっと認められてもよいと思う。この作については、戦後、私が提唱したので邦訳が出ている。
このトリックはザングイル、ルルウ、ルブランより後にも、英のフィールディング、米のラインハート、英のクリスティー、米のクイーンなどの長編や、チェスタートンの短編(二編)にも、くり返し使われている。