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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
線上閱讀甲賀 三郎《支倉事件(はせくらじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 204,697 字 · 406 頁
と述べたてゝいるのを、忽ち訂正しなければならぬようになった。即ち小塚検事に次の如く答えている。
「私は金銭授受の日を二十五日に繰上げて、故意に弁解の材料にした訳ではありません。私は二十六日には前晩貞の件が済んだので、安心して浅草へ行ったりして終日遊んで帰宅したように申しましたが、それも事実と相違して来るようになりますが、故意に偽りを申しましたのではありません。私はそう誤解して、間違いを申立てたのです」
即ち支倉は彼が小林貞子を殺害したと一旦自白して置きながら、後に之を飜して、自白が全然虚構であると云う証明の為に申立てた重要な三点、当日清正公前に電車が開通していなかったと云う事、貞の事件の解決は九月二十五日であって、その以後小林兄弟に会っていないと云う点、二十六日は浅草で終日遊んだと云う申立の三つは尽く再び自ら翻えすに至った。或いは支倉は身に覚えなき大罪が到底振り払う事が出来ない羽目となり、狼狽の極あれこれととりとめのない弁解を試みたのかも知れない。けれども以上の事実は決して判官に好い心証を与えるものではない。
小塚検事は最後に神戸牧師を喚問して、支倉の自白当時の事を聞き質した。