輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しなまいのふくろ

支那米の袋

夢野 久作

線上閱讀夢野 久作《支那米の袋(しなまいのふくろ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 25,357 字 · 50 頁

青空文庫

ホコリ臭くて息が詰りそうで、何遍も何遍も咳が出そうになるのをジッと我慢しているのがホントに苦しかったわ。

それからどこを通って行ったのか、よくわからないけど、何でもこのスウェツランスカヤから横路地伝いに公園の横へ出て、公使館の近くを抜けながら海岸通りへ出たようなの。途中で下腹や腰のところがヤングの肩で押えられて痛くてしようがなかったけど、やっとの思いで我慢していたわ。ええ。それあ怖かったわ。ヤングが時々立ち止まるたんびに誰か来たのじゃないかと思ってね……。

海岸に来るとヤングは、そこに繋いであった小さい舟に乗り込んで、妾をソッと底の方へ寝かして、その上に跨がって自分で櫂を動かし始めたようなの……そこいらは、まだ暗くて、波の音がタラリタラリとして、粗い袋の目から山の手の燈火がチラリチラリと見えてね……妾は息が苦しいのも、背中が痛いのも、それから足を伸ばしたくてたまらないのも忘れて、時々聞える汽笛の音に耳を澄ましながら胸をドキドキさせていたわ。これが故郷のお別れと思ってね……そうかと思うと亜米利加の町をヤングと連れ立って散歩している自分の姿を考えたり……ヤングと妾の幸福のために、イーコン様にお祈りを捧げながら、ソッと小さな十字架を切ったりしていたわ。