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ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

線上閱讀林 芙美子《放浪記(初出)(ほうろうき(しょしゅつ))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,349 字 · 207 頁

青空文庫

「さあ、此広場の人達がタイキャクするまで、僕は原始にかえったようで、とても面白いんです。」

チェッ生噛じりの哲学者メ。

「御両親のところで、当分落ちつくんですか……。」

「私の両親なんて、私と同様に貧乏で間借りですから、長くは居ませんよ、十二社の方は焼けてやしないでしょうね。」

「さあ、郊外は×××が大変だそうですね。」

「でも行って来ましょう。」

「そうですか、水道橋までおくってあげましょう。」

青年は土に突きさした洋傘を取って、クルクルまわしながら、雲の間から、霧のように降りて来る灰をはらった。

私は四畳半の蚊帳をたゝむと、崩れかけた下宿へ走った。宿の人達は、ゴソゴソ荷物を片づけていた。

「林さん大丈夫ですか、一人で……。」

皆が心配してくれるのを振りきって、私は木綿の風呂敷を一枚持って、モウモウとした道へ出た。

根津の電車通りは、みゝずのようにかぼそく野宿の群がつらなっていた。

青年は真黒に群れた人波をわけて、くるくる黒い洋傘をまわして歩いている。

私は下宿に、昨夜間代を払わなかった事を何か奇蹟のように思えた。お天陽様相手に行動をしている、お父さん達の事を思うと、此三拾円ばかりの月給も、おろそかにつかえない。