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さんげ
散華
線上閱讀太宰 治《散華(さんげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 10,172 字 · 21 頁
風のせいではない。おのずから散るのである。天地の溜息と共に散るのである。空を飛ぶ神の白絹の御衣のお裾に触れて散るのである。私は三井君を、神のよほどの寵児だったのではなかろうかと思った。私のような者には、とても理解できぬくらいに貴い品性を有っていた人ではなかったろうかと思った。人間の最高の栄冠は、美しい臨終以外のものではないと思った。小説の上手下手など、まるで問題にも何もなるものではないと思った。
もうひとり、やはり私の年少の友人、三田循司君は、ことしの五月、ずば抜けて美しく玉砕した。三田君の場合は、散華という言葉もなお色あせて感ぜられる。北方の一孤島に於いて見事に玉砕し、護国の神となられた。
三田君が、はじめて私のところへやって来たのは、昭和十五年の晩秋ではなかったろうか。夜、戸石君と二人で、三鷹の陋屋に訪ねて来たのが、最初であったような気がする。戸石君に聞き合せると更にはっきりするのであるが、戸石君も已に立派な兵隊さんになっていて、こないだも、
「三田さんの事は野営地で知り、何とも言えない気持でした。桔梗と女郎花の一面に咲いている原で一しお淋しく思いました。