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ぶんしょう
文章
線上閱讀芥川 竜之介《文章(ぶんしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,765 字 · 14 頁
彼は寺から帰る途中、藤田大佐と一しょになった。すると大佐は彼の作った弔辞の出来栄えを賞讃した上、「急焉玉砕す」と云う言葉はいかにも本多少佐の死にふさわしいなどと云う批評を下した。それだけでも親族の涙を見た保吉を弱らせるには十分である。そこへまた同じ汽車に乗った愛敬者の田中中尉は保吉の小説を批評している読売新聞の月評を示した。月評を書いたのはまだその頃文名を馳せていたN氏である。N氏はさんざん罵倒した後、こう保吉に止めを刺していた。――「海軍××学校教官の余技は全然文壇には不必要である」!
半時間もかからずに書いた弔辞は意外の感銘を与えている。が、幾晩も電燈の光りに推敲を重ねた小説はひそかに予期した感銘の十分の一も与えていない。勿論彼はN氏の言葉を一笑に付する余裕を持っている。しかし現在の彼自身の位置は容易に一笑に付することは出来ない。彼は弔辞には成功し、小説には見事に失敗した。これは彼自身の身になって見れば、心細い気のすることは事実である。一体運命は彼のためにいつこう云う悲しい喜劇の幕を下してくれるであろう?………
保吉はふと空を見上げた。空には枝を張った松の中に全然光りのない月が一つ、赤銅色にはっきりかかっている。