輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぶんげいのてつがくてききそ

文芸の哲学的基礎

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《文芸の哲学的基礎(ぶんげいのてつがくてききそ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 49,519 字 · 98 頁

青空文庫

そこであまり退屈だものだから、ふと思出して、例の医者から勧められた貝を出して、この貝を食っては待ち、食っては待って、とうとう潮が引いて、両人が出てくるまでにはよほど多量の貝を平げました。その場はそれで済みまして、いよいよ細君を連れて宅へ帰って見ますと、貝の利目はたちまちあらわれて、細君はその月から懐妊して、玉のような男子か女子か知りませんが生み落して老人は大満足を表すると云うのが大団円であります。ゾラ君は何を考えてこの著作を公けにされたものか存じませんが、私の考では前に挙げたモーパッサン氏よりもある方面に向って一歩進んだ理想がなくってはとうてい書きこなせない作物だと思います。よく下民の聚合する寄席などへ参ると、時々妙な所で喝采する事があります。普通の人が眉を顰める所に限って喝采するから妙であります。ゾラ君なども日本へ来て寄席へでも出られたら、定めし大入を取られる事であろうと存じます。

現代文学は皆この弊に陥っているとは無論断言しませんが、いろいろな点においてこの傾向を帯びていることは疑いもないと思います。そうしてこの傾向は真の一字を偏重視するからして起った多少病的の現象だと云うてもよいだろうと思います。