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かんのう
文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会
岩村 透
線上閱讀岩村 透《文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会(かんのう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,976 字 · 12 頁
翌朝になって、家人一同が、昨夜の出来事を談して如何にも奇妙だといっていたが、多分門違でもあったろうくらいにしてその儘に過ぎてしまった。やがてそれから月日も経って、従兄も無事に戦争から、芽出度凱旋をしたのであった。勇ましい戦争談の末に、伯母が先夜の事を語ると、従兄は暫時、黙って指を繰ってなどしていたが、やがてポンと膝を叩いていうには、「それじゃ、全く私の声だったかもしれない、というのは、その日は恰度、○○の大戦争があった日なので、私もその時に、この足をやられて遂に仆れたのだが、何しろ戦争が激しいので、負傷者などを、構ったりなどしていられないから、仆れた者は、それなりにして、全軍は前方へ進んで行った、私はその晩一夜、寒い霜の夜に曝されたなり、病院にも入れられず、足の疵の痛いので苦悶をしていると、この時まざまざと故郷の事などが、眼の前に浮んで来るので、私は思わず「お母さん、お母さん」と一口二口叫んだが、それが丁度その時刻頃であったろう」と、従兄自身も不思議な顔をして語ったので、傍に居たその男も、頗る妙に感じたと、その夜その男が談したが、これ等も矢張、テレパシーとでもいうのであろう。