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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

線上閱讀室生 犀星《文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子(どうじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 177,454 字 · 357 頁

青空文庫

かれは、そこをも息をもつかずに下りた。

三分の後かれは、とんと足の裏を小突かれたような気がした。気がつくとかれは、道路の上に立っていた。足のうらがしいんと脈打っていた。かれは、そのとき思わずふり仰ぐと、このふしぎな古い塔のドアがみな閉められはじめた。

その塔はあたかも四囲なる電燈の海にひたっているため、影というものがなく、呼吸をのんで立ちあがっていた。しかもかれが再び見あげたとき、ふらふら目まいがしそうになって一種の悪寒をさえ感じたのであった。

かれは、それから間もなく或る不吉な冬の夜の出来事に出会した。いつものように歩いていたとき、公園全体の人込みがみな塔の方へ向いて走ってゆくことと、そのなだれが塔の根の方を黒黒と染めたこととであった。

かれは端なくその晩、いつかの電気娘が塔の上から投身したことを聞いたのであった。かれが馳けつけたときは既うその死体は運ばれてしまって、群衆も次第に散りはじめたころであった。かの女が何のために投身したかすら判らなかったが、かれは三四度かの女を見ただけの理由で、或る悪寒と哀惜とを同時にかんじた。しかもあの純白な皮膚がかれの目の前から去ることもなく、いつまでもかれにこびりついていたのである。