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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

線上閱讀室生 犀星《文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子(どうじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 177,454 字 · 357 頁

青空文庫

」

夏も口をそえ「ああいう親切な人たちはない。」と言った。瓶のなかの温かい乳を、母親はいつも一度掌にあてたり、滓がないかと明るみに透したりして、嬉しがった。それの消毒をしながら、

「家人が多いんですから何を呈げたらいいでしょうね。」

そう言い、お祝いの品物の、さしあたり要らないものをあれも上げるこれも呈げると言った。そして自分の乳をしぼり、陶物にたまった濃い白い液体を覗きこんだ。

「こんなに乳が出るのに、これが飲まされないなんて――。」

そういうと、そっと夏に、「こっそりと飲ましてやりたい。」と言った。

「そのコッソリで万事ブチコワシになることがあるぞ。」

私は気むずかしく叱りつけた。しまいに乳を棄てるところがなくなり、庭の萩の植った陰地を掘って棄てた。

或晩、玄関に客があったので、家のものが忙しく、私が何気なく出た。が、まだ一度も来たことのない女であった。

「あの……動坂から参ったんでございますが。」

「あ、動坂からですか。」

すぐ貰い乳をさせて呉れる人だと思った。手巾に包んだ瓶をさげ、妹らしいのが格子の外で、からだをちぢめていた。

「いつもお世話さまで……オイ、動坂から入らしったよ。