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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
今から廿二、三年も前のことで、五、六人の美女にとりまかれて、もっとも美しい女が中央に立って踊っている、そのひとだった。星のような眼がすこし笑っていた。おんなじ連中で、歌がるたをとっているのもあったが、わたしはどうした事か踊りの方にひきつけられていた。そして中央の美人は、濃い髪を銀杏がえしに結って、荒いかすり――その頃は漸くはやりだしたばかりだと思った――大島紬を着て写っていた。
しかし、わたしはその人たちが何処の連中だか知らなかった。知ったにしたところがその美しい人は、もう紅葉館の美姫としてではなかった頃であろう。その後ほどなくわたしは竹柏園先生のお宅の、お弟子たちの写真箱の中から、中島写真館で見出したとおなじ人の、おなじ写真を見出した。
「この方は、どなたで御座いましょう、先生」
わたしの声は悦びに額えていたに相違なかった。
「博文館の大橋さんの夫人です」
そう聞くと、その姿こそ見る時がなかったけれど、紅葉館でも勝れた美貌の女であったということだけは知っているので、なるほどそうかと、不思議に満足をした気持ちであった。
その後、近々と、この麗人を見る日が幾度かあった。