輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

めいじびじんでん

新編 近代美人伝 (上)

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁

青空文庫

洗面台もそうしたお得意の細工であったのである。毎朝々々顔を洗うたびに凝と見詰めているが、そのおりも何時までも何時までも立ったままなので風邪をひかせてはいけないと、女中が気をつけに側へいったのに驚いて、歯を磨きだした。そしてその翌朝は、そこのとなりの、新らしく建増した物置きへ椅子や卓を運んでいったのであった。つい隣りの台所では下女が焚きつけはじめていたということである。坪内先生と、伊原青々園氏と、親類二名へあてた遺書四通を書きおわったのは暁近くであったであろう。階下の事務室に寝ているものを起して六時になったら名宛のところへ持ってゆけと言附けたあとで、彼女は恩師であり恋人であった故人のあとを追う終焉の旅立ちの仕度にかかった。

彼女は美しく化粧した。彼女は大島の晴着に着代え、紋附きの羽織をかさね、水色繻珍の丸帯をしめ、時計もかけ、指輪も穿めて、すっかり外出姿になって最後の場へ立った。緋の絹縮の腰紐はなめらかに、するすると、すぐと結ばれるのを彼女はよく知っていたものと見える。

あの人は変っている、お連合と口論したら、飯櫃を投りだして飯粒だらけになっていたって――家がお堀ばたの土手下で、土手へあがってはいけないという制札があるのに、わざと巡査のくる時分に駈上ったりするって。