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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
明治廿五年の正月には、元日ですら夜まで国子氏と仕立物をしていたという事を日記が語っている。
国子当時蝉表職中一の手利に成たりと風説あり今宵は例より、酒甘しとて母君大いに酔給ひぬ。
――片町といふ所の八百屋の新芋のあかきがみえしかば土産にせんとて少しかふ、道をいそげばしとど汗に成りて目にも口にもながれいるをはんけちもておしぬぐひ/\して――
とあるのにもその生活の一片が見られる。父の則義氏は漢学の素養もあり文芸の何物かをも知っていられたが、母君は普通の気量な、かなり激しい気質の人であったらしい。日記にあらわれた借財のことは、廿年の九月七日にはじまっている。そして、
――我身ひとつの故成りせばいかゞいやしきおり立たる業をもして、やしなひ参らせばやとおもへど、母君はいといたく名をこのみ給ふ質におはしませば、児賤業をいとなめば我死すともよし、我をやしなはんとならば人めみぐるしからぬ業をせよとなんの給ふ、そもことはりぞかし、我両方ははやく志をたて給ひてこの府にのぼり給ひしも、名をのぞみ給へば成りけめ。
とあるにも母君の面影が知れる。そうした気位が高くていながら、乏しい暮しのために、しかもそうした堅気の士族出が、社会の最暗黒面である廓近くに住居して、場末の下層級の者や、流れ寄った諸国の喰詰めものや、そうでなくても闇の女の生血