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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
そのころは、髪の毛の長いのと、涙の多いのとを女の命としてでもいたように、物語などにも姿よりは髪の美しさが多くかかれ、敏感な涙が多くかかれてあるが、徳川期の末の江戸女のように、意気地と張りを命にして、張詰めた溜涙をぼろぼろこぼすのと違って、細い、きれの長い、情のある眦をうるませ、几帳のかげにしとしとと、春雨の降るように泣きぬれ、打かこちた姿である。
鎌倉時代から室町の頃にかけては、前期の女性を緋桜、または藤の花にたとうれば、梅の芳しさと、山桜の、無情を観じた風情を見出すことが出来る。生に対する深き執着と、諦めとを持たせられた美女たちは、前代の女性ほど華やかに、湿やかな趣きはかけても、寂と渋味が添うたといえもする。この期の女性の、無情感と諦めこそ、女性には実に一大事となったのだが、美人観には記す必要もなかろう。
徳川期に至っては、元禄の美人と文化以後のとはまるで好みが違っている。しかしここに来て、くっきりと目立つのは、上流の貴女ばかりが目立っていたのから、すべてが平民的になった事である。ひとつには当時の上流と目される大名の奥方や、姫君などは、籠の鳥同様に檻禁してしまったので、勢い下々の女の気焔が高くなったわけである。