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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
関氏が階下へおりてゆくと、彼女は上って坐って待っていた。関氏は何時も彼女の家を絶えずおとずれる訪客の一人であって、いつも彼女に饗応をうける側の人であったので、こういう時こそと、自らが主人気取りで、半井氏が留守ならばとしきりに暇を告げようとする女史を引止めたうえに、鮨などまでとって歓待した。そして午ごろまで語りあった。階上の半井氏は、時がたつにしたがって、階下に用事があるようになったが、さりとて留守と言わせたのでおりる事は出来ず、人を呼ぶことは出来ず、その上灰吹をポンとならして煙管をはたくのが癖であることを、彼女がよく知っているので、そんな事にまで不自由を忍ばなければならなかったので、彼女が辞し去ったあとで、こんな事ならば逢って時間をつぶした方がよかったと呟いたということである。その一事をもって総ての推測を下すのではないが、憎くはないがこの女一人のためには、何もかも失ってもと思い込むほどの熱情は、なかったのであろう。その、どこやら物足らなさを、彼女の魂の中の暴君が、誇を疵つけられたように感じ、恋もし、慕いもしたが、また悔みもした。
勝気の女はかなしかった。