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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
――(そのお丸さんはいま、稀音屋六四郎の細君になっている)妾宅の方のお丸さんは、すらりとした人で、黒ちりめんの羽織のよく似合う、そんな日でも、別にめかしてもいなかったが、人好きのする美人で、足尾の古河市兵衛氏の囲いものだった。その二階に招ばれて、わたしは綺麗な女たちを面うつりするほど多く眺めた。
その行列の、美しい御殿女中のなかに、照近江のお鯉も交っていたのか、ほどなく、わたしは一枚の彩色麗しい姿絵を手にした。桜のもとに短冊をもっている高島田の、総縫の振袖に竪矢の字、鼈甲の花笄も艶ならば、平打の差しかたも、はこせこの胸のふくらみも、緋ぢりめんの襦袢の袖のこぼれも、惚々とする姿で、立っているのだった。
それ以来、わたしの心のおぼえ帳には、美しき女お鯉の名が消されぬものとして残った。
二
「横浜の野沢屋さんの大奥さんからのおつかいものでございますの。なんでも六代目さんなんぞは、「お母さん」というふうにお呼びなすってるようですね。尊敬めてなので御座いましょうけれどね」
その遣いものが、衣服の時があり、手道具の時があり、褥の時があり、種々さまざまであるけれども、使いは同じ人にさせているということを、女小間物屋さんは語った。