輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
線上閱讀太宰 治《新釈諸国噺(しんしゃくしょこくばなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 93,562 字 · 179 頁
」と笑って言って、小判十枚を紙に包み、その上書に「貧病の妙薬、金用丸、よろずによし。」と記して、不幸の妹に手渡した。
女房からその貧病の妙薬を示されて、原田内助、よろこぶかと思いのほか、むずかしき顔をして、「この金は使われぬぞ。」とかすれた声で、へんな事を言い出した。女房は、こりゃ亭主もいよいよ本当に気が狂ったかと、ぎょっとした。狂ったのではない。駄目な男というものは、幸福を受取るに当ってさえ、下手くそを極めるものである。突然の幸福のお見舞いにへどもどして、てれてしまって、かえって奇妙な屁理窟を並べて怒ったりして、折角の幸福を追い払ったり何かするものである。
「このまま使っては、果報負けがして、わしは死ぬかも知れない。」と、内助は、もっともらしい顔で言い、「お前は、わしを殺すつもりか?」と、血走った眼で女房を睨み、それから、にやりと笑って、「まさか、そのような夜叉でもあるまい。飲もう。飲まなければ死ぬであろう。おお、雪が降って来た。久し振りで風流の友と語りたい。お前はこれから一走りして、近所の友人たちを呼んで来るがいい。山崎、熊井、宇津木、大竹、磯、月村、この六人を呼んで来い。