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にほんにおけるしぜんじだいのれきしけんきゅうについて
日本における史前時代の歴史研究について
喜田 貞吉
線上閱讀喜田 貞吉《日本における史前時代の歴史研究について(にほんにおけるしぜんじだいのれきしけんきゅうについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,520 字 · 13 頁
石器時代遺物・遺蹟の最も古いと思われるものでも、当時の人々は相当他において工芸的進歩をなした後に渡来したものであったことを示している。そこへさらに他の文化を有する人々が渡来して互いに相接触した。さらに海外から新しい文化が輸入された。だんだん松明の光が強くなり、その数も多くなった。百燭光の電燈までが光り出した。しかしまだ容易に隅々にまでは明りが徹底せぬ。物の陰になった所などには久しく闇黒世界が遺されていた。石器を使用している民衆の中へ少数の金属利器が輸入せられても、それは容易に一般の供給を充すに足らず、相変らず石器は製作使用せられている。すなわち有史時代と同時に一方には史前時代が並存していたのである。一方には立派に記録が当時を語っているような時代にも、一方にはまだ遺物・遺蹟以外、なんらの口碑・伝説をも遺さずに消え行ったものが多かったのである。
しからばこの史前時代なるものが、果していつのころまでわが国土の僻隅に存在していたであろうか。もちろんその絶対年代を確かめることは容易でないが、もし厳格に「史」なる意義を解釈したならば、今の北海道のアイヌ族のごときは明治に至るまでもまだ史前時代にいたと言ってしかるべき場合もある。