輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぎじんのすがた

日本の怪談

田中 貢太郎

線上閱讀田中 貢太郎《日本の怪談(ぎじんのすがた)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 56,030 字 · 115 頁

青空文庫

一方元親の方では、親興の妻子を失うつもりで、日吉の城へ討手を向けたところが、もう妻子は逃亡した後であったから、附近へ人を出して捜索さした。

「親興の妻子の居処を知らして来た者には、褒美の金をやる」

という布告をだした。六人の者が田路を通って長福寺へ入って往くところを、植田の百姓達が見ていた。金に眼のくれた百姓達は訴人となって出た。

数十人の討手は不意に長福寺へ来た。

「比江山の女房小供を渡せ」

住職は驚いたが欺せるものなら欺そうと思った。

「めっそうもない、比江山の女房小供が隠れておるなどとは、存じもよらんことでござる」

「云うな、比江山の女房小供六人が、此処へ入ったところを、植田の者が見ていて、訴人に出たのじゃ、それでもおらんと云うか」

討手の頭(かしら)は住職を叱りつけた。

「でもそんな者はおりません」

「争いは無益じゃ、家探しして捕えめされ」

討手の者は頭の声と共に、ばらばらと寺の中へ駈けあがった。住職はそのまま離屋の方へ走って往って、六人の者を逃がそうとした。三四人の討手は住職を追って来て、彼が離屋の縁側へあがろうとするのを押えて捩伏せた。

「奥様も御子様達も、早く、早く、討手が来たから、早く、早く」