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うつりが

日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江

近松 秋江

線上閱讀近松 秋江《日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江(うつりが)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 152,306 字 · 300 頁

青空文庫

家にいる他の妓たちはまたそれを面白がって、対手になって戯弄うと、彼女は生真面目な顔をしてそれに受け応えをしているという有様である。

お繁さんはおかしそうに笑いながら、

「そんな具合でもう気の毒で見ていられまへんがな。ほて、もう、わたし、あんた方、そんなつまらんこと言うてお園さん戯弄らんとおいとくれやすいうて、小言いうてました」

私は、それを聴いて身にしみて悲惨を感じながら、じっと涙を飲み込むようにして、

「飛んだことになってしまったものですなあ」と、あとの言葉も出でずに黙って太息を吐いていた。

「もう、どだい、いうことがなってへんのどすもの」お繁婆さんは変なハイカラの言葉に力を入れていう。

そんな有様で、とてもこの先続けて商売など出来そうにないところから、母親のほかに西京の方にいるという母方の叔父にも来てもらって、話を着け、お繁さんが附き添うて管轄の警察署へ行って、営業の鑑札を返納して来たというのである。お繁婆さんはなおおかしそうに、

「警察へいても、お園さん真面目な顔をして役人に怒鳴りつけるようなことをいうもんやから、わたし、傍に付き添うていてはらはらしてました」