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はんぎゃく
日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三)
矢田 津世子
線上閱讀矢田 津世子《日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三)(はんぎゃく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 16,512 字 · 34 頁
……で、お松は、牧師の不機嫌な他の原因を探そうと焦せる。そして、それは息子の欽二の一身に関しているんだ、と結末をつける。
ともかく、お松は欽二に逢って話を確めようと家を出た。
裏門は五六人の職工達で固まっていた。傾きかけた塀の中にはギッチリ黒い頭が詰っていた。誰れかが黒い腕を振り上げて怒鳴っていた。ウォッと、怒濤のような地響きが起った。バンバン手が叩かれた。お松は先ずこの光景に愕かされた。目脂を拭って、再び見直した。耳にまつわる毛を払いのけて、男が何を云ってるのかを聞こうと焦った。腰を伸ばして塀に掴まった。
「遠山欽二に逢われんですかい?」
やっと、職工の一人に問いかけた。
「遠山? 欽二?……ああ、第二工場の兄貴だ。そうだな、今忙しいが、まア、行ってみよう。お前さんは誰れだい?え、おっ母アさんかい」
若い職工は、威勢よく飛んで行った。
「何しろね、この通り今が真最中なもんだから……。おっ母アさん、こっちへ這入って待ってて下せえ」
長身な職工は、往来にぽんやり立っているお松を自分の横の空地へ誘った。
「この騒ぎは一体どうしたというんです。喧嘩ですかい?」