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きみたちにおくる――あたらしいみんしゅうのせいしん

日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)

百田 宗治

線上閱讀百田 宗治《日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)(きみたちにおくる――あたらしいみんしゅうのせいしん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,389 字 · 12 頁

青空文庫

夕暮の別荘地に歩み入る兵士たち

喇叭の音、

疲弊した魂からしぼりだす最後の勇気のような

いま夕暮れの空に反響を呼んで

響きわたる喇叭!

おお汗みずくの兵士、

夏の夕暮の

湿やかな大気に充ちた郊外の別荘地にいま歩み入ってくる一隊、

重い背嚢、

きらめく銃剣――埃まみれの靴、

一日の演習に疲れて

へとへとになって帰ってくる是等の人々、

空腹――眩暈、

いま靴の音も不揃いに

ふりあげる喊声……

水撒かれた小径、

うちつづく生籬、

ああその中を

彼等の一隊は過ぎてゆく、

いま遠くなる喇叭、

靴の音、

労苦と疲弊の一日の終り、

ああ落日の空の下の

一きわ高い彼等の歌!

(一九一八年十月大鐙閣刊『ぬかるみの街道』に発表 一九二〇年十月新潮社刊『百田宗治詩集』を底本)