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はかい

日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)

加藤 一夫

線上閱讀加藤 一夫《日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)(はかい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,312 字 · 9 頁

青空文庫

新しい人を創造し

新しい世界を描き出そうじゃないか。

○

これは私の幻覚なのであろうか。

来る日も来る日も私の耳にきこえるものは

人間のうめき声!

裏長屋の井戸端からも

巴里に於ける講和会議の会場からも

安月給取の会話からも

露西亜、独逸の革命の巷からも

暗い、冷たい、薄気味のわるい地底の坑道からも

静かなる農村の自然からも

器機のきしる工場からも

ああ、その苦しいうめき声が耳にひびく。

初めは微であったその声が――遣る瀬ないその声が

今はもう鼓膜も破れよとばかり

捲きころがり、捲きころがり

凡ゆるものをかっさらわずにはやまぬ巨浪のように

どうどうどうと益々高く益々ひろく。

おお今こそ私は知る。

苦しみは力であると。

欠陥は創造であると。

新しい世界は近づいた。

――たといそれがまた壊ちて果てようとも。

○

たとえば彼の聖者のように

貧乏をその花嫁とするか

さもなくば自ら起ちて

貧乏の縄の縛めを断て。

貧乏をかこちかこち女のように

あきらめも得せぬ哲学を呟くを止めよ。

かかる者に真理は与せず

かかる者に生命はやどらず。

生命と真理とは

ただ徹底せるものの下に従う。

(一九一九年二月四日作 『労働文学』