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しゅんせつせん

日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集

葉山 嘉樹

線上閱讀葉山 嘉樹《日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集(しゅんせつせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 34,935 字 · 73 頁

青空文庫

死ぬまで車を引っ張る馬のように、死ぬまで苦労を背負わせるんだ。子供が七輪の炭火の上に倒れても、よう起さないで泣き出してしまう老人に、――畜生! 俺は一体どうなればいいんだ。ああ、――明日も早いから――とおふくろは云ってる。明日俺の出かけるのは、工場の前のピケッチングじゃないか! ふうっ!)

彼は、音のしないように髪の毛をひっ掴んだ。そして憎ったらしく、検束者をでもするように、やけに引っ張った。髪の毛は汗でねばねばしていて、ふて腐れたように手にザワザワ捲きついて来た。

――吉田さん、吉田さん。――

暑苦しいために明けっ放した表から、誰かが呼んだ。

吉田はハッとした。

(来やがった。遂々来やがった。何時だ、三時だな、畜生! 寝込みを踏み込みやがったな)

彼は、本能的に息を詰めた。そして耳を兎のようにおっ立てた。

「どなた?」

おふくろが、喘ぐように云ったのと、吉田が、「しっ」と押し殺すような声で云ったのと同時であった。

(為様がない、おしまいだ。これで片がつくんだ。奴等が一段ずつ位と月給が上って、俺たちゃ立ち腐れになるんだ)

「誰だい?」

彼は、大きな声で呶鳴った。