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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《日本婦道記(にほんふどうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,678 字 · 17 頁
といいながら足早にはいって来た。
「ようすはあらまし伺いました、女の身でさしでがましゅうはございますが、ご成敗……というのは少しいかがと存じます。恐れいりますがわたくしに任せては頂けませんでしょうか、当家にも至らぬところがあったのでございますから……」
そう云って間へ割ってはいると、すばやく金之助を立たせ、巧みにその座敷から伴れだしていった。こちらも本気で斬るつもりはなかったのだろう、「こんど会ったら首を貰うぞ」とどなりつけたが、それ以上は追いかけてゆくようすもなかった。
青年を別間へつれていった幸子は、そこで食事を出してやったが、かれは箸をとらないで、「申しかねますがこれで結飯を作って頂けませんか」と云った、「結飯はべつに作ってあげますからこれはこれで召しあがれ」幸子はそう云って、自分で厨へゆき、握り飯を作って包んだ。どのような想いに責められているのだろう、かれは震える手で箸をとったが、ほんの口を付けたというだけでやめた。幸子は黙って見ていた、かれは幸子に見られることが堪えられぬようすで、結飯の包みを受取るとすぐ、「支度して来ますから」と離れのほうへ立っていった。