輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《日本精神史研究(にほんせいしんしけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 208,277 字 · 415 頁
ただしかし、お伽噺としてのこの作の様式は、この後によき後継者を持たなかったらしい。むしろそれは、天平時代以来展開したお伽噺文芸の流れの絶頂であって、この時に突如として現われたものではなかろう。これが物語の源流と見られるのは、お伽噺としてのこの作のうちに世態小説の芽を含んでいたというに過ぎぬ。この作が「世態小説の道」を開いたと見らるべきでない。
この小論を草する際に津田左右吉氏の意見を駁する気持ちが幾分か自分にあったことは、ここに告白しておいた方がよかろうと思う。この作を世態小説と見るのは、氏のみならず藤岡作太郎氏などもそうである。描写が滑稽的であるという意見も一般に行なわれているらしい。自分が特に注目したのは、その見方の根拠を説く津田氏の著書の次の数節である。「その女主人公は多くの求婚者の心を迷わせ、最後に尽くそれを失望させる要件が具っている女であればよいので、必ずしもそれを天上の仙女にしなければならぬ必要は無いのであるが、最初の作だけに昔からある話の筋を仮りたのである。」(貴族文学の時代、二六二ページ)。「小説の初期に於ては、まだ多少読者におかしみと珍らしさとを与えねばならなかった。