輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《旧聞日本橋(きゅうぶんにほんばし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 18,172 字 · 36 頁
あたしはこの母が、人出入りの多い家で、厳しい祖母によくつかえ、よく教えられて、子供がふえても女中の数をまさずに、終日クリクリと、実によく忠実に尽して、しかも祖母の諭しめによって、いかなる折りも髪かたちをくずさず、しじゅう身ぎれいに、家の内外も磨きあげたようにして、終日、ザブザブと、水を豊かに汲みあげているような日常を見て、人は働くものだ、働くことは美しいとの観念をたいそう植えつけられている。そして、また、その当時の、知的階級に属した家に生まれながら、奥さまぶった容体を学ばずに過し得たことは、母を徳としている。それもこれも、祖母の睨みがきいたからだと、後日母は言っていたが――
そこで、あたしは六歳の年に入学した。学齢ではないのだが、私立尋常代用小学校という札の出たのは後のことで、秋山源泉学校という、別室には、習字と裁縫と、素読だけに通ってくる大家の娘たちもあるので、六歳でも通えるのだった。
引出しを二ツもった、廉品な茶塗りの手習い机と、硯箱が調えられた。白紙を一帳綴じたお草紙、字が一字も書いてない真っ白な折手本、椎の実筆と、水入れと、※の柏墨が用意され、春のある日、祖母に連れられ、女中と書生と俥夫が机をかついで、二丁足らずの、まっすぐな新道を通って、源泉学校へ入学した。