輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
わせだかぐらざか
早稲田神楽坂
加能 作次郎
線上閱讀加能 作次郎《早稲田神楽坂(わせだかぐらざか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,407 字 · 46 頁
まだ箪笥町の区役所前に吉熊という名代の大きな料亭があり、通寺町に求友亭などいう家のあった頃から見ると、花街としての神楽坂に随分著るしい変化や発展があり、あたりの様子や気分もすっかり変って、私としても様々の思い出もなきにあらずだが、ここではただ現在、あの狭い一廓に無慮六百に近い大小の美妓が、旧検新検の二派に別れ、常盤、末よしなど十余の料亭と百近い待合とに、互にしのぎを削りながら夜毎不景気知らずの活躍をなしつつあるとの人の噂をそのまま記すだけに止めよう。思い起す約二十年の昔、私達がはじめて学校から世の中へ巣立して、ああいう社会の空気にも触れはじめた頃、ある学生とその恋人だったさる芸者との間に起った刃傷事件から、どこの待合の玄関の壁にも学生諸君お断りの制札のはり出されてあったことを。今はそんなことも遠い昔の思い出話になってしまった。俗にいう温泉横町(今の牛込会館横)の江戸源、その反対側の小路の赤びょうたんなどのおでん屋で時に痛飲乱酔の狂態を演じたりしたのも、最早古い記憶のページの奥に隠されてしまった。
私は友達と別れ、独りそれらの昔をしのびながら、微酔の快い気持で、ぶら/\と毘沙門附近を歩いていた。