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はやみみさんじとりものききがき
早耳三次捕物聞書
林 不忘
線上閱讀林 不忘《早耳三次捕物聞書(はやみみさんじとりものききがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 10,050 字 · 20 頁
「おお親分か――三次親分、お騒がせ申して、また、あんたが引き揚げて下すったそうで、まことに、あいすみません、あいすみません。だが、こ、これはあんまりでげす。こうまでして証を立てられてみちゃあ、あっしも男だ。これから、これからすぐに踏ん込んで――。」
塞かれていた水が一度にどっと流れ出るように、伊助は吃りながら何事か言いたてようとする。貧乏世帯でも気苦労もなく普段からしごく晴々していた若女房の不意の入水、これには何か深い仔細がなくてはかなわぬと先刻から眼惹き袖引き聴耳立てていた周囲の一同、ここぞとばかりに犇々と取り巻いてくる。
三次、素早く伊助の言葉を折った。
「まあま、仏が第一だってことよ。地面に放っぽりかしちゃあおけめえ。あっしが通りかかって飛ぶ所を見て、死骸だけでも揚げたというのも、これも何かの因縁だ。なあ伊助どん、話あ自宅へ帰ってゆっくり聞くとしょう。とにかく、仇敵討ちってのは穏和じゃあねえ。次第によっちゃ腕貸しねえもんでもねえから、さあ行くべえ。死んでも女房だ、ささ、伊助どん、お前お藤さんを抱いてな――おうっ、こいつら、見世物じゃあねえんだ! さあ、退いた、どいた。