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めいじのごじゅっせんぎんか

明治の五十銭銀貨

服部 之総

線上閱讀服部 之総《明治の五十銭銀貨(めいじのごじゅっせんぎんか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,448 字 · 15 頁

青空文庫

た。

というのもその時――一八五八(安政五)年正月江戸で調印された日米通商条約第五条で「外国の貨幣は日本貨幣同種類の同量を以て通用すべし」ときめたのだが、同種類の同量をもっては、金貨は金貨、銀貨は銀貨と、同じ重さで交換するということで、品位は互いに論じないということでもある。その証拠に、秤の一方に一分銀を一方にドル銀をのせて、三百十一個対百枚という比率が双方で確認され、この条約を継承した明治政府も、これに従うほかはないことになる。

なぜそれが日本にとっての大損になったか? ちょっと見にはたいへん「紳士的」なハリスの出方であるように見える。日本よりも「文明開化」しているアメリカ合衆国の貨幣は本位貨幣たる金貨、補助貨幣たる銀貨、量目も品位もちゃんと整って、間然するところがない。当年の日本にも、保字金や古二朱金のような、世界のどこに出してもひけをとらぬ良品位の金貨はあるが、安政二分判のように、保字金の半値に及ばぬ悪い金貨がある。銀貨にいたっては、天保一分銀、嘉永一朱銀と、しだいに品位が落ちて、統一がない。それをだまってアメリカの金銀貨と、同じ量目で換えるというのはナント紳士的な謙譲ではないか。