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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,645 字 · 47 頁

青空文庫

「シメタ!」

星玄は感きわまっている。新十郎はまっすぐ台所へ行った。お絹をよんで、昨日見た梅干の小さな壺をださせた。彼は中をあけて見たが、満足して、フタをとじて、

「この壺をいじった人は誰だね」

「誰もいじる筈はございませんが、どうかしておりますか」

「本当に誰もいじらないね」

「決していじる筈はございません。それを入れておく戸棚は御前様専用のもので、今日は戸棚に手をふれたものもなかった筈でございます」

「そうだろうね。ところが、たった一人、この壺をいじった人がいるのだよ。この中の梅干は昨日は六ツ残っていたが、今日は八ツになっているよ」

お絹は驚いて顔色を変えた。新十郎は慰め顔に、

「ナニ、お前に悪いところはないのさ。ところで、梅干の大きな壺はどこにあるね」

「御前様のものは全部同じ戸棚にございます」

戸棚をあけると、一番下に梅干用の大壺が四ツもあった。

「それでは、お嬢様にお目通りさせていただきましょう」

彼らはお梨江の居室へみちびかれた。新十郎は鄭重に挨拶して、

「昨夜の不快を思いだしていただいては恐縮ですが、お嬢さまがおくれて会場へお出になったについては、なにか理由がございますか」