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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,372 字 · 67 頁
ローソクなら持ってきてあげようと私が云いますと、それには及ばないと、チョウチンをつけて走り去ったのです。後姿をちょッと見ただけで、年かっこうも、何も分りません」
「このへんにお住いの方々はモーロー車夫を信用なさるのですか」
と、新十郎の澄んだ目で見つめられたが、お鈴は案外ハッキリと、
「番頭さんは若い頃剣術や柔術の先生について大そう腕自慢でしたから、モーロー車夫ぐらいに驚きません。そんな奴はオレの方が身ぐるみはいでやると、ふだんからそんな強がりを言っていた方です」
「そう、そう。ちょうどオレが子供のころ、木場の若い者に武ばったことがはやったものだ。オレの年ごろで町道場へ通わなかったのはここの清作さんぐらいなものさ。重二郎さんの手並は知らないが、ひところ木場の若い衆が、私も実はその一人でしたが、むやみに腕自慢を鼻にかけたのは、よい図じゃアありませんでしたよ」
新十郎は、なるほど、とうなずいて、
「威勢のよい土地はサスガですなア。ところで、番頭さんは御主人の信用がおありでしたろうか」
「それは、もう、大変な信用でしたよ」
と、保太郎は力をこめて、
「なにぶん、清作さんは病身で家業の方には関係なく、たのむ身内は重二郎さん一人ですから、杖とも頼むようでした。