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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 33,372 字 · 67 頁
しかしホンモノの死体が自分で歩いて行ってカラの棺桶の中にはいるわけには行きません。さすれば、これもカンタンです。死体とともに、それを棺桶の中へ入れた人間も一しょに前から居たのです。そして皆さんが出たあとで死体を棺桶に入れたのです。皆さんもこれを疑うわけに行きますまい。ごらんの通り、カラの筈の棺桶の中には屍体に代る人形がありましたし、生きた一人の人間も、こうしてチャンと中に実在していたではありませんか」
新十郎は笑ってヤマ甚を見て、
「本日の私たちの実験は扉をあけて、人形と生きた人間を中から出してきました。ところが、あの日は、扉に錠がおろされたまま衆人環視のうちに燃え落ちたのですから、屍体は取りだすヒマがなく当然中で焼けました。しかし、屍体は一ツでした。すると、生きた人間は、どこへ消えたのでしょうか? 開かれた扉のほかには外へ出る通路が確実にないのです。ヤマ甚さん。お分りでしょう。お年寄の坊さんが助けに駈け登ったのは、喜兵衛さんのためではなくて、第二の人物、即ち、棺桶が安置される前から、たぶん前夜からすでに室内に屍体とともに居た人、その人を助けだすためでした。