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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,336 字 · 47 頁
それがこの五月、わずかに半年前のことであった。
しかしヒサと敏司の仲は今もつづいていた。敏司は名題の道楽書生であるが、ヒサに対する愛着の念はひたむきで、ヒサが中橋の妾になったのを一度ははげしく恨んだが、考えてみれば自分は親のスネをかじる書生の身であるから是非もない。卒業して一本立ちになったらきっと妻に迎えるからと、二人は逢う瀬をたのしんでいた。
ところが、ここに皮肉な悪縁というべきは、女剣劇の梅沢夢之助である。彼女は道楽書生の敏司と深く言い交した仲であったが、又、彼女には数年前から旦那があり、これが中橋英太郎その人である。中橋にヒサができてからは、寵もうすらぎ、ただ仕送りをうけるだけで、めったに中橋の訪れを見なくなったというが、敏司と深く言い交した夢之助にはそれが苦にはならなくとも、恋人、旦那二ツながらヒサに奪われた怒り恨みは一方ならぬものがあったに相違ない。
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ヒサが妾宅をでかけたのは、十一月三十日の午前十時半ごろ。三筋町の踊りの師匠のところへお稽古がてら月謝をおいてきて、ちょッと買物に廻ってくると云って、女中をつれて出かけた。