輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,951 字 · 51 頁
二人の女が船へ上ると、男たちはそれをとりまいて、まるでふるえているように見えた。するとフラフラととびだしてきた一人の男が、まるで酔ッ払いがモミ手でもするかのように身をかがめたと思うと、キンの尻を拝むように押えていた。しかし彼はその手に力をこめることができなかったばかりでなく、押えたハズミに全身の力がぬけたのか、ガックリ膝まずいて、うなだれてしまった。しかし、うなだれる一瞬早く、彼の目は赤い炎をふきあげてキンの尻に食い入るばかり見つめた凄さまじさを人々は見逃さなかった。
人々は魂をぬかれたバカのように、それを黙って見つめた。キンが身をひいて走り去ると、人々ははじめて息をついたが、誰も言葉を発する者がいなかった。キンに抱きついた男は、実直のウスノロで通っている金太という三十三のこの船中では年配の水夫であった。誰も彼がこんなことをしようなどとは考えられないことだったのだ。
今村はそれを見終って戦慄した。それは金太の仕業に対しての戦慄ではなくて、金太が手に抑えたものの至上な魅力に対する戦慄であった。彼の目に、彼の心に、全身に蛇が宿ったのだ。
翌日から正式の作業がはじまった。