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せいざ

星座

有島 武郎

線上閱讀有島 武郎《星座(せいざ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 118,460 字 · 235 頁

青空文庫

寂びきった眺めだった。裏庭のすぐ先を流れている千歳川の上流をすかしてみると、五町ほどの所に火影が木叢の間を見え隠れしていた。瀬切りをして水車がかけてあって、川を登ってくる鮭がそれにすくい上げられるのだ。孵化場の所員に指揮されてアイヌたちが今夜も夜通し作業をやっているのに違いない。シムキというアイヌだった。その老人が樺炬火をかざして、その握り方で光力を加減しながら、川の上に半身を乗りだすような身構えで、鰭や尾を水から上に出しながら、真黒に競合って鮭の昇ってくる具合を見つめていた……それは清逸が孵化場の給仕をしていたころに受けた印象の一つだったが、火影を見るにつけてそれがすぐに思いだされた。気を落ちつけて聞くと淙々と鳴りひびく川音のほかに水車のことんことんと廻る音がかすかに聞こえるようでもある。窓のすぐ前には何年ごろにか純次やおせいと一本ずつ山から採ってきて植えた落葉松が驚くほど育ち上がって立っていた。鉄鎖のように黄葉したその葉が月の光でよく見えた。二本は無事に育っていたが、一本は雪にでも折れたのか梢の所が天狗巣のように丸まっていた。そんなことまで清逸の眼についた。