輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(五)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,744 字 · 434 頁

青空文庫

そんなことを考えながら、半七は二人と共に浅草へ急いだ。

馬道の白雲堂の店は、けさに限っていつまでも戸を明けないので、両隣りの者が不審をいだいて表の戸を叩いたが、内にはなんの返事もないので、いよいよ不審が重なって、裏口の雨戸をこじ明けてはいると、売卜者の白雲堂幸斎は台所に倒れて死んでいた。彼は水を飲もうとして台所まで這い出して、そこで息が絶えてしまったらしく、その肌の色は赤味を帯びた紫にかわっている。それが明らかに変死の姿であると判って、近所の人々はおどろいた。家主や町役人も立ち会いの上で型のごとくに訴え出た。

やがて検視の役人も出張ったが、医者の診断や家内の状況によって、幸斎の死は河豚の中毒と判った。河豚で死ぬのは珍らしくない。それが他殺でない以上、検視は至極簡単に片付いた。半七らが行き着いた頃には、役人らはもう引き揚げて、白雲堂には近所の人達がごたごたしているばかりであった。幸斎はひとり者であるから、近所の者が寄り合って葬式を営むのほかは無かった。

半七は家主に逢って、売卜者のふだんの行状などに就いて問い合わせたが、庄太からきのう聞いた通りで、別に怪しいような節もなかった。