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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(五)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,744 字 · 434 頁
「何しに来たのでしょう」
「お熊は遠州屋に奉公していると云うから、まんざら縁のねえ事もねえが、なんでわざわざ寄り道をしやあがったかな」
「今の話を聞くと、常陸屋の奴らがここへ詮議に来たと云うじゃあありませんか」と、善八は考えながら云った。「そうすれば一応は遠州屋の奉公さきへも行って、お熊を調べたろうと思います。主殺しの伝蔵に係り合いのあると知れたらば、遠州屋でもすぐに暇を出しそうなものだが、相変らず平気で使っているのでしょうか」
「遠州屋は四十ぐらいだろうな」
「そうでしょう。四十面をさげて、女房もあり、娘もあるくせに詰まらねえ女なんぞに引っかかって、たびたびぼろを出すという評判ですよ。あいつ、お熊にも手を出しているのじゃありませんかね」
「むむ、笹川の息子の話じゃあ、お熊というのは汐風に吹かれて育ったにも似合わねえ、色の小白い、眼鼻立ちの満足な女だそうだ」
「それだ、それだ」と、善八は肩をゆすって笑った。「親分、きっとそうですよ。女房子の手前があるから、どっかの二階へでもお熊を預けて置くつもりで、兄きの所へその相談に来たのかも知れませんぜ。節季師走に暢気な野郎だ」