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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(五)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,744 字 · 434 頁

青空文庫

したがって、それらの商人の中にはなかなか粋な男が忍んでいる。芝居の話、花柳界の話、なんでも来いというような者もあって、大道商人といえども迂濶に侮りがたい時代であった。かの飴屋もその一人で、半七老人とは芝居でのお馴染であることが判った。

家へゆき着いて、例の横六畳の座敷へ通されたが、飴の話はまだ終らなかった。

「今の人たちは飴細工とばかり云うようですが、むかしは飴の鳥とも云いました」と、老人は説明した。「後にはいろいろの細工をするようになりましたが、最初は鳥の形をこしらえたものだそうです。そこで、飴細工を飴の鳥と云います。ひと口に飴屋と云っても、むかしはいろいろの飴屋がありました。そのなかで変っているのは唐人飴で、唐人のような風俗をして売りに来るんです。これは飴細工をするのでなく、ぶつ切りの飴ん棒を一本二本ずつ売るんです」

「じゃあ、和国橋の髪結い藤次の芝居に出る唐人市兵衛、あのたぐいでしょう」

「そうです、そうです。更紗でこしらえた唐人服を着て、鳥毛の付いた唐人笠をかぶって、沓をはいて、鉦をたたいて来るのもある、チャルメラを吹いて来るのもある。子供が飴を買うと、お愛嬌に何か訳のわからない唄を歌って、カンカンノウといったような節廻しで、変な手付きで踊って見せる。