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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(六)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 196,831 字 · 396 頁

青空文庫

しかも地蔵は踊らないで、今夜の参詣人を失望させた。源右衛門も再び出て来なかった。不思議に思って、智心をくぐらせてやると、抜け道は途中で行き止まりになっていた。二日つづきの風雨に地面の土がゆるんで、あたかも源右衛門の上に落ちかかったらしく、彼はそのまま生き埋めの最期を遂げたのであった。

その報告におどろかされて、寺中の者共は駈け付けた。了哲と定吉が手伝って、ともかくも源右衛門を穴から引き出したが、彼はもう窒息していた。もちろん表向きにすべき事ではないので、世間へは駈け落ちと披露して、その死骸は墓地の奥に埋葬した。さなきだに見切り時と思っているところへ、こんな椿事が出来したのであるから、地蔵は再び踊らなくなった。

抜け道は何とか始末しなければならないと思いながら、まだそのままになっていると、けさの大雨で地面の土がまたもや崩れ落ちた。今度はその道筋のところどころに窪みを生じて、あたかも抜け道の通路を示すように見えて来たので、もう打ち捨てて置かれなくなった。他人に覚られては大事であると、了哲らがその穴埋めに取りかかっている処へ、半七と亀吉が再び乗り込んで来たのであった。